インドの美味-ナゾの真っ白ご飯-

“インドに住んでいます”というと必ず必ず聞かれる質問。
「何食べてるの?カレー??毎日カレーばっかり??」
いえいえ食べてないです。というかカレーって一括りじゃなくってね。
日本のカレーとインドのカレーは一緒じゃなくて…

ハイ。ここまで前回と同じ出だしで始まりましたが、今回は
インドにはこんな料理がありますよー、というのをご紹介したいと思います。
ちなみに、カレーじゃありません。

こちらです。

写真1

この写真真ん中にある、スプーンが添えられた真っ白い料理。
料理名はPakhala(パカラ、パカロ、ポカロなどの発音が近いような)
周りを囲む焼いたり炒めたりしたお野菜も、全部おいしくて
初めて食べた時は「おいしいー!これおいしー!!」と一人で大騒ぎしました。

Pakhala とは、オディシャ(Odisha)州の料理で、
Wikipediaによるとご飯を水で洗う、もしくは水に浸した料理と紹介されています。

Pakhaḷa (Odia: ପଖାଳ) is an Odia term for an Indian food consisting of cooked rice washed or little fermented in water.

作り方はお米を炊き(茹で)、余分なお湯を捨て冷たい水に浸してしばらく置く。
そのご飯にヨーグルト(curd)と塩、グリーンチリなどを加えて混ぜ、
熱したマスタードシート(or クミンシード)やカレーリーフなどを添えて完成。

“ご飯にヨーグルト”と聞いて味を想像したアナタ!「うぇぇ」となったアナタ!!
違います!!想像している味とは全然全然違うんですよーー!!

これ、日本のお米とヨーグルトでは全くもって違った料理になるはず。
きっと…ご飯がヨーグルトを吸ってなんだかもう恐ろしいことに…

この料理のポイントは、インドのお米とヨーグルト(curd)です

・日本のお米ではなく、インドのパラパラしたお米であること
水分を吸ってモチモチしてしまう日本のお米だと
ヨーグルトと水分でモチャモチャのネチャネチャになるはず

・日本のようにクリーミーなものではなく、サラサラで
味にクセのないヨーグルト(curd)であること
インドのcurdは、サラサラの液状で酸味とコクは控えめ。
とてもサッパリしています

他にもcurdを使わないものや、水に1晩以上漬けるものなど、色々な種類があります。

日本の地方でも、夏場にご飯に水をかけて食べる郷土料理があるかと思いますが、
それに近い感じでしょうか。あとは、“水茶漬け”などが近いかもしれません。

さっぱりした薄い薄いヨーグルトの酸味とほのかな塩味がついて、
クミンやカレーリーフの香りがアクセントになり、暑い夏や食欲がないときに
サラサラっと食べられる冷たく涼やかなご飯。Pakhala。

ちなみに、3月20日は”Universal Pakhala Day”だそうで、
この日はPakhalaを食べて夏の訪れ(インドの夏は4月頃)を祝うそうです。

地方の料理なので、インドのどこででも食べられるわけでないですが、
機会があればぜひ、チャレンジしてみてください。

 

・・・あ。ここまで熱く書いてきて気づきましたが、これから寒くなる日本では
全然「いいなー、食べてみたーい!」とはならない料理ですね・・・
これからは鍋とかおでんとか食べて、コタツでミカンの時期でしたね・・・
せっかくなので、また夏場にでも思い出してください。