小坊主さんに論破された話 

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インドのチベタン村

オディシャ州ガジャパティ県チャンドラギリ村。オディシャ州のチベタン村の正式名称。ここ数年行っていませんが、以前はたまに遠足として遊びに行っておりました。計四回くらい足を運んだでしょうか。

おいしいチベタン料理

トゥクパとチベタンチャパティ

お寺や僧院・民芸品の工房なども見学できる他、モモやトゥクパなどのチベタン料理が食べられます。インドの他の都市で食べるよりおいしく感じるのはその土地柄でしょうか。

村人に聞くと村ができたのは1960年。ちょっと調べると、チベットの抗中独立運動であるチベット動乱の勃発が1956年、頂点に達したのが1959年。ダライ・ラマ14世のインド亡命も1959年です。こういった歴史とはもちろん無縁ではないのでしょう。実際、ダライ・ラマ14世も訪れたことがあります。

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民芸品の工房

村を歩くと迎え入れる村人の雰囲気も違います。特に移民一世の人達、つまり高齢な方達はよそ者への警戒心は強そうでした。若い人たちよりも敬虔でお参りする姿を見ると何だか胸が熱くなりました。

ブータンからの留学生カルマ君

カルマ君と5年前の私

5年前の私とカルマ君

今から5年前、2011年の年始にも訪れました。僧院でブータンから来ているカルマ君に出会いました。9歳から親元を離れてここで学んでいて当時19歳。出身地や年齢などを聞いても、表情一つ変えずに淡々と答えてくれます。そんな彼を見て、もう少し彼自身のことがわかるようなことを聞きたくなりました。

僧院には、風神・雷神や地獄絵図など多くの仏教壁画が、それは華麗に描かれています。戯れに、
「どの絵が一番好き?」
と、聞いてみました。

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僧院の壁画

また表情を変えずに一言。
「選べません。」
また冷静に言うのです。ちょっとムキになった私は

「まぁまぁそう言わず、あえて選んだらどれ?」

と再度促しました。

するとくるっと顔をこちらに向けてこう言いました。

「選ぶことはできません。全部で一つの世界を表しているからです。今ここにあなたとあなたの友達(一緒にいたロッジのお客さんを指して)がいます。例えば、私が良い人を一人を選んだらもう1人は良くない、ということになってしまいます。でもそれは間違っています。」

ゆっくりですが確かな口調でした。

ただ
「I see.」
としか返せませんでした。私といえど、これ以上野暮なことは言えません。ぐうの音も出ない、とはまさにこのこと。あまりの完全論破のされ方に、むしろなんていう愚問だったのかと恥じ入る気持ちでした。同時にあまりの「完全さ」に清々しくもありました。

分けて、比べて、優劣を付けたがる、そんな自分を突き付けられたようでした。

この時のことたまに思い出します。

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バイクに貼ってあるステッカー

さて、あれから5年以上経ちます。
インドが凄まじい速度で変わっている中、チベタン村だけ変わらないということはないかと思います。ちょっと行ってみたくなりました。

カルマ君は多分こんなことを言ったことは覚えていないでしょうけど。でもまた会えたら嬉しいですね。しっかりしていて頭も良いカルマ君なので、さぞかし立派なお坊さんになっていることでしょう。

投稿:sakamoto

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